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コラムvol.2 味の秘密〜家庭で育まれる発酵調味料の世界

私たちの日常に欠かせない味噌や醤油は、発酵調味料の代表例です。発酵プロセスでは、大豆を使った豆味噌の製造から、塩との組み合わせで乳酸菌や酵母菌が活動する様子まで、多様な技術が使われています。これらの発酵調味料は、ミネラルを豊富に含み、健康に役立つことが知られています。


さて、調味料の発酵食品について、私の思い出話にお付き合いください。


お味噌・醤油は、私が育った田舎の家ではどこでも作っていました。最近では見かけない光景のひとつかもしれません。


豆味噌を作る。


まず、大豆を煮るところから始まります。


煮た大豆を丸めたのち麴菌に感染させます。大きさは子供の私から見たら、大きなソフトボール大に見えていました。


これを二階の天井から吊り下げて麹菌発酵させていました。

この天井には囲炉裏で焚いた熱と煙がまわってかなり煙い場所でもありました。


麹が白くなっていき、よく菌が回ったところで桶に仕込みます。

このときお塩も入れて腐敗を防ぎ、乳酸菌と酵母菌が働くように仕掛けます。


やがて、水分が溜まりだして、これが溜まりとなります。

我が家では丸い竹桶を差し込んで溜まりを集めていました。


たまり醤油です。


残った固形分が味噌でした。


このたまりに炒ったえごまをすりつぶしたのを入れたえごまだまりは、なんともいえない美味しい調味料で格別な味わいでした。


畑で採れた里芋を大釜で煮たのち炭火であぶってからこのたまりで食べたのです。

60有余年を経た今も忘れられない一品です。


保存料の入らない味噌とたまり醤油は少ししょっぱいけれども健康のかたまりであったのではないでしょうか。


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