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コラムvol.4 塩の役割〜発酵を支える隠れた英雄

発酵において塩は重要な役割を果たします。特に、味噌や醤油の製造において、塩は発酵をコントロールし、腸内環境に良い影響を与えます。発酵と腐敗の違いは微生物の関与にあり、発酵は人間にとって有益なプロセスです。


お味噌・醤油・御酢ときたら肝心なのは実はお塩です。


お塩は発酵食品ではありませんが、発酵を助ける重要なアイテムです。日本の代表的な

調味料であるお味噌と醤油は、塩なしには作ることができません。お塩が発酵をコントロ

ールしているのです。


発酵とは何かと聞かれて即座に答えられる人は滅多にいないでしょう。腐敗とは何かを

聞かれても同じです。まして、発酵と腐敗の違いは何かと聞かれては。


腐敗は汚く臭いもので、発酵は香りがよく美味しいものというイメージはありますよね。

発酵も腐敗も微生物が関わっています。


しかし科学的な定義を聞いた時、私はひっくり返りそうになりました。


「人間に都合が良いのが発酵。都合が悪いのが腐敗。」


例えば、納豆菌が大豆に作用したものは人間が食べるので発酵です。

納豆菌が冷めたご飯で繁殖すれば、ご飯が腐ったので腐敗になるのです。


どちらも菌は同じ納豆菌によるものです。

納豆菌にしてみれば「なんでやねん!」となるのではないかと彼の立場を弁護したくなります。奴は優秀ですが自慢することなくせっせと働いてくれています。勤勉でまじめで無駄口をたたかず働くところは古きよき時代の日本人と同じでしょうか。日本の価値観も変わってきたのですからこの定義も変わっても良いのかもしれません。



話を戻します。お塩が発酵をコントロールしているのです。コラムvol.2で、煮た大豆に麴

菌を感染させて繁殖させる工程を書きましたが、次の工程で活躍するのが塩です。


木の樽に入れるのは麹発酵した大豆と塩なのです。塩分が全くないか少ないと腐敗することがあります。ほとんどの場合腐敗すると言ってもよいと思います。この場合に活躍する悪玉は大腸菌群の可能性が高い。食中毒菌も繁殖することになります。


適度な塩分の元では大腸菌は繁殖できません。食中毒も起きないわけです。おおよそ塩分濃度は8%から10%くらいが、安定した発酵を促す濃度です。


このとき活躍する発酵菌は、乳酸菌や酵母菌でお塩が大好きな種類です。お塩を好きでいてくれる乳酸菌や酵母菌が居て初めてお味噌が出来上がるのです。

好塩性とか耐塩性といいますが、この菌がいなかったら日本の食文化はきっと貧しくなっていたことと思われます。お味噌や醤油が無い日本食を想像してください。


ありえないですよね。家康は部下に味噌玉を持たせて戦に望ませたそうですから、好塩

性の乳酸菌・酵母菌に徳川家も感謝しなくてはならないのです。


お塩がコントロールする発酵の妙味が少し覗けましたね。


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